ノエさんとキィシュカさん

— 宿屋『金色のヴァルハル』 —

吊り目の従業員 : まいどー。泊まってく? 飯だけでも食ってってくれるとウチは助かんだけどなー。 吊り目の従業員 : そういや、なんか空いてる容器とか持ってねえ? ここの親父さんの作るジャムがうまくてさ。良かったらタダで詰めるぜ。

吊り目の従業員 : はいよ。んじゃちょっと待っててくれよ。 吊り目の従業員 : お待たせ。普通にトーストに塗ってもいいけど、 紅茶とかに溶かしてもうまいぜ。

ノエ : (空き瓶を渡してジャムを入れてもらい、隣の旅人に会釈する…)

キィシュカ : ……おや、こんにちは。(同じく赤いジャムの入った瓶を手に、会釈を返した) ノエ : ……こんにちは……。 ノエ : …貴方も、もらったんだね…。 キィシュカ : うん、きみと同じく。ジャムが貰えると聞いたら、抗いがたくてね。 ノエ : …ジャムって甘いんでしょう…?甘いのは好き…? キィシュカ : そうだねえ。甘いもの、好きだよ。 ノエ : そう……なら、ここはきっと貴方にとっていい場所だね…。 キィシュカ : ふふ、タフィーも贅沢なくらい甘かったからね。ここは良い町だよ。 キィシュカ : ……きみは、ジャムを食べるのは初めてなのかな? ノエ : ……うん…。 ノエ : レモン漬けを買った店で教えてもらって、ここでいま詰めてもらったのが初めてかも…(と、タレットに持たせた瓶を見て) キィシュカ : ふむふむ……それはいいね。 キィシュカ : きみはこれからジャムの美味しさを沢山知ることができるというわけだ。 ノエ : ……そうかも…? キィシュカ : トーストに塗ったり、紅茶と共に一匙舐めたり、パンケーキへ乗せたり……どれも魅力的だよ。 ノエ : ……アイスにも、あう? キィシュカ : アイス! それもいいね、最高だよ。君はジャムを楽しむ才能があるようだ。 キィシュカ : 是非色んなものへ合わせてみるといい。きっと新しい発見があるはずさ。 ノエ : うん……アイスだけでも色々あるものね…チョコレートアイスとかガリアイスとか……。 キィシュカ : ガリ……ガリ? そんなフレーバーもあるのか……。まだまだ知らないアイスがあるようだ。 ノエ : ……バルドラの街のアイスなの…僕は好きだよ…。 ノエ : 甘いとは、ちょっと違うらしい、けど……いつか食べてみて…? キィシュカ : ほう、バルドラ……立ち寄った際には是非試してみよう。(手帳へ街の名前をメモした) ノエ : ここだとアイスより…あなたのいうとおりパンケーキやトーストのほうが…暖かくて良さそうだけど…。 ノエ : ……僕も楽しんでみるよ、ジャム…。 キィシュカ : うん、是非とも楽しんで。きみの気に入る味が見つかるといいね。 ノエ : うん……ありがと……。……引き止めて、ごめんね…えっと……。 キィシュカ : いや、こちらこそ話をしてくれてありがとう。 キィシュカ : ……ああ、名乗っていなかったね。僕はキィシュカ、キィシュカ=ピピだよ。 ノエ : キィ…シュカ、(少し発音に戸惑ったが頷き)……僕は、ノエ…。 キィシュカ : ノエ……。ノエ。うん、素直で良い響きだ。よろしくね、ノエ。 ノエ : この街にはよく来る、し……またジャムの話、出来たらいいね…。 ノエ : うん、よろしくね…。 キィシュカ : ふふ、オススメの食べ方ができたら、僕にも教えてほしいな。 ノエ : うん……ちゃんと記録して、伝えるよ……。 キィシュカ : おや、記録まで……真面目なんだね。 キィシュカ : ……おっと。それじゃあ、僕はそろそろ。 ノエ : うん……またね、キィシュカ…。 キィシュカ : またね、ノエ。良い一日を。